1/1ページ目 いつもそんなことばかり考えている。 あらゆるものを破壊する。こんな、望んでもいない自身の力のために、悪魔の妹、フランドール・スカーレットはずっと地下に閉じ込められていた。 そう、望んでもいない力だ。自分だって、幸せに生きたい。みんなと楽しく話したい。外で他の子供たちと思いっきり遊びたい。 姉であるレミリア・スカーレットとは違い、地下に閉じ込められているせいで子供じみた心のまま、495年も生きてきた。その間、ずっと、ずっと、閉じ込められていた。 能力だけならまだいい。だが、自分には、どうしても抗えないものがあった。 狂気だった。能力故に、目の前に壊せる物が現れようものなら、徐々に沸き上がってくるこの感情。 こんな自分なんて、いない方がマシなんだ。そんなこと、何度も何度も思った。必要となんかされていないと。 そして、その原因を作ってしまっている、自分の能力と狂気に、何度声をあげて泣いたことだろうか。地下だから、いつ泣いても誰も聞かない。思いっきり泣ける時間だけが、フランの心の安らげる時間でもあった。……逆に考えれば、誰も聞いてくれない心の叫びなのだが。 「また、壊しちゃった」 姉からもらった、新しい熊の人形。だが、気付けば、ボロボロになっていた。 また、壊してしまったのだ。 「なんで……」 床に、フランの涙が落ちて染みを作っていく。悲しかった。嫌だった。何より、こんな自分が嫌いだ。 「いやだよ……もう壊したくないよ……」 それは最早悲鳴だった。辛くて仕方がなかった。 誰がこんな自分を助けてくれるのだろう。きっとそんな人、いない。 フランは、声をあげて泣いた。いつものことだ。こうして泣くのは、果たして何度目だろう。数えきれないほど泣いた。覚えてなんていない。ただ、泣くことが、今のフランには幸せなのかもしれない。 こうして、死ぬまでこんな生活を送っていくんだと、フランは思い始めていた。……死にたい。死にたくて仕方ない。こんな自分も、自分が生まれる運命を作った神様も、何もかもを恨んだ。でも、恨んでも、なにもできないのだ。恨んでいる自分の能力なんて、使いたくないから。こんな世界を壊したくても、能力を使えば、それは自分も同じになってしまうから。 泣きじゃくるフランは、そのままベットに入った。暫くの間は泣いていたが、やがてすすり泣く声に変わると、いつの間にかそれも寝息となっていたのであった。 果たして、彼女の見る夢は、今の自分とは違う、幸せなものなのだろうか。それとも、夢の中でも自分は不幸な立場なのか。それは、フラン自身しか知らないことだ。 生まれつき不幸な存在。フランの場合はあらゆるものを破壊出来てしまう能力と狂気という自分でも抑えられない物をもって生まれてきた。 あなたは、果たして彼女の狂気と能力を恐れず、死んでもいい、だからせめて、君は必要のない存在なんかじゃないと言ってあげられますか? せめて、そばにいてあげられる、優しい存在になれますか? いや、あなたは、その存在になってほしい。彼女の側に、ずっといてやってほしい。それが、今のフランを救える、唯一の方法なんですから。 【あとがき】 んー、書いてみたら結構グダグダな文章に……(^_^;) おはようこんにちはこんばんは。速星です。 今回は外に出た事がないフランの小説を書きました。外に出れないって、きっと本当に辛いんでしょうね。 そんなフランに付き添ってあげられる勇者はいるか、って事で今回はこの小説を書きました。最近ネタが思い付かないので短編を書くのを放棄してましたから、久しぶりに真面目に書いてみましたよ(笑) でもその結果がこんなグダグダ……w まぁ自分のサイトの小説に付きっきりってこともあるんですけどね← 因みに、この小説の時間軸は紅霧異変より少し前のお話です。求聞史記では、紅魔館の中を歩くフランの姿を目撃している人がいるため、「いやいや、じゃあこの短編成り立たねぇだろw」と書いているうちに気付いてしまったんですよね。俗にいう無理矢理ですwwごめんなさいww まぁ、霊夢と魔理沙と戦ってある程度狂気と能力を抑えられるようになった、と考えれば大丈夫かなぁ、と(汗) さてさて、ここいらであとがきはおわりとしましょう。読んでくださった方々、有り難うございました(^^) <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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