「ちょ、琉たちも来たらまずいよ!!バレる!!」
「みかん、俺たちの格好見て」
「……」
「はいっ、解答権は光っ!」
「マスクにサングラスに深く帽子を被ってます」
「おう!だから大丈夫だ!」
「つーかバレて困ることねぇし」
え、いっつもあたしに変装しろしろ言うの壱流さんじゃなかったでしたっけ?
「別に着いてこなくていいのに!あたしの買い物なんだし!!」
「俺も…欲しいもん、さーやの」
「つーか、琉、最近言ってる“さーや”って誰なんだよっ?」
不敵に「とーごの…たいせつなひと」と笑う琉に「いや、とーごも知らねえんだけどー!?」と騒ぐ晴を横目に溜め息ひとつ。
今日は珍しく昼間に待ち時間が長く取れたから、買い物しようと思ったら、局のロビーでShiNeと遭遇…後、合流になってしまった。
沙絢さんの本、買いたくて静かに本屋に行きたかったのに…!!
「ねえねえ、光、沙絢ってあの沙絢?」
「…なんかメイクも『今日は沙絢さんの新刊発売日なんですよ』って騒いでたな」
「沙絢さんすっごいんだよ!!あたしの今の夢、沙絢さんの小説の誰でも良いから演じさせて貰うことだもん!!」
「夢は所詮夢だよな」
良いんだもん!!叶わぬ夢でも良いんだもん!!が…頑張るんだもん!!
「あれとかいけんじゃね?」
「え、なになに!?」
「…レストランかカフェみたいなのに出てくるおっさんの…」
「…壱流、よく知ってるね!?まさか、壱流も沙絢さんファ…」
「光ーっ、壱流ーっ、本こっちだってー!!」
…あれ、…一応あたしたち芸能人…だよね?こんな真っ昼間の公共の場で名前叫ばれて良いのかな…?
「ねえねえ、あれってShiNeと高崎光じゃない?」
「え、うそ!!」
思いっきりバレてるんですけどー!?
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