【球種(4)ミラーリング】 私は今までのボケ・ツッコミという定義をやめて笑いの種類を二つにわける事にしています。 それは野球の右投手、右打者のケースに例えて ◆カーブ系(外角に逃げる球=意外)・・間違っている事、滑稽な事、意外性のある事 ◆シュート系(内角に食い込んでくる球=共感)・・ツッコミ、あるある、より真理やプライバシーに迫る事、図星、極論、内輪的にマニアックな事 にわける事にしました。つまりツッコミをボケの一種ととらえる事にしたのです。そしてもう一つ ◆ミラーリング=場違い というものを発見したのです。 例えば、「ウルトラマン対バルタン星人」はもう飽きたんで「ドラえもん対バルタン星人」が見たい!!というようなボケがあるとして、ここまではただのカーブ回転のボケなんですが 「一体どうやって対決するんだ!?」というフリがあったとして「じゃんけん対決」とボケた場合、「なんでじゃんけんなんだ!!」っていう対決というフリに対する<意外性のカーブ回転>と、 「ドラえもんはグーしか出せないしバルタン星人はチョキしか出せないじゃないか!!」という<事実のシュート回転>が両方同時に生まれると思うのです。 これは友近さんもよく使っています。職人かたぎのこんなおっさんおるなぁという人がピザ屋の店員という設定のコントがありますが、 おっさんとしては<おるおるのシュート回転>なのですが、 ピザ屋の店員としては<おらんおらんのカーブ回転>なのです。 これを分析するとシュート回転の発想が先にあり、ピザ屋という設定に移写してカーブ回転が生まれた、つまり「ミラーリング」したと考えようと思うのです。 先程のじゃんけんの例も、事実を元に意外性を生んでいるのです。 ただしこのシュート回転をカーブ回転に移写するという手法は滑る確率は低いのですが、「ある事」(有限)をボケとしているので、「ない事」(無限)は移写できないので、ボケの幅は狭くなりがちであり、飛躍した笑いは生み憎いと考えています。 もう少し説明すると、ものまねのもしもシリーズもミラーリングです。 クリカンさんの「もしも細川たかしが救急車だったら」というネタは、細川たかしのモノマネ(似てる=事実に近い=シュート)を救急車という設定に移写して意外性(カーブ)をも生むんです。 十年ほど前、大阪の若手漫才師は、大半が、ネタの本題を、もしもシリーズにしていたと考えられます。 ただハリガネロックさんは、他の漫才師に比べるとシュートの比率が多く、ミラーリングもシュート回転をしっかりかけた上で移写しており、カーブもおり混ぜてくるので、彼等が一時期リーダー的存在だったのは、他との差別化を意図的に行っていたからだと思います。 12/30^10:00 [コメントする] [更新通知] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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