2011年5月19日(木)
【続・言葉のチョイス】
言葉のチョイスに関する名古屋の講師からのアドバイス
◆ネタ見せで、ボケに「winkのCD」を出した時
→「そのボケは、wink単体にパワーがあるんだよね？だからネタにパワーがあるわけじゃないんだ」
◆「例えば、お前がチェッカーズってフレーズ単体でボケたい時、お前がチェッカーズで一時間語れるものがあるなら、出してもいい。それがキャラクターになるから。でもそうじゃないなら出さない方がいい。」
以下はお笑いのわかる人なら誰でも知ってますが、大阪の作家さんからのあるあるの考え方について
◆「一般にあるあるは、普通の人がもう気付いている事じゃなくて、みんなが気付いてなくて、でも言われたらそうやなって事を言わなければならない」
ここからは言葉のチョイスについて、自分が以上の事もふまえてライブでやっていた事、学んだ事を段階的に記す。芸風なんで、半分苦笑いで読むように。
◆まず、養成所に入ってなんとなく好きな事をやっていた私は、自分の好きなフレーズがネタの中にたまたま２～３個入るというだけで、そこでウケさそうというものでもなく、ネタのくくりとかストーリーそのものもマニアックだった。
◆一年経過した頃やっと、人は案外、ネタの面白い面白くないにかかわらず、固有名詞で笑っている(もちろんそれだけではない)事に気づき、固有名詞を多く入れるようにし、最初は自分の好きなフレーズをたくさん入れていた。それでも前よりは一部の年代や身内にはウケやすくなった。
◆一年半経過した頃、前項の「相手の知っている事の中で古い事」を言うようにし、それから観点をかえて「相手の知っている事の中で認知度の低い事」、それから例えばガーネットクロウ、中山エミリなど、「他の人が普通ネタにしないような固有名詞」を考えて言うようになり、若い層にも少しウケが良くなった。
◆(お笑いとは無関係の場所で)男子小学生の子供たち数人が、全員ポケモンの筆箱を持っていて、全員そのポケモンの話題で盛り上がり、ポケモンに詳しかった私の同年代の一般人の知人はその話題についていけて楽しく話ているのに、芸人であるはずの私はポケモンがわからなくて全く盛り上がれなかった事例(ほんとはもっと前から気付いていたがこの事例がわかりやすいので笑)にヒントを受け、ネタの面白い面白くないにかかわらず、ネタの話題を客層(特に女子高生)に合わせるようになり、前からのマニアックなフレーズも個性として、またアクセントとして残すようになり、ネタにバリエーションができた
◆例えば、「ティーボラン」を出したい場合、(ティーボランをチョイスできた時点で、私にとって成長だった笑)単体ではウケにくい事がわかり、「ティーボランはもうオラン」のような、固有名詞＋かぶせ(ダジャレ)＋共感というような形のフレーズにして出すようになり、すべる確率を低くした。
いつしか僕は、ニュアンス単体のボケを「自動ドア」、ニュアンスを料理して出す事を「半自動ドア」と勝手に呼んでいた。
◆ある時、それでも「ティーボラン」(←例えば笑)がツボでない人間には、いくら料理してもウケない事がわかる。しかしこの方向性が変えられない(本当は、他の作り方がわからない笑)私は、「自分のネタは、ネタそのものは面白くない」という境地にいたり
ライブ本番で、「ウケさせたいフレーズを強調する」→「ツッコミに値するフレーズを強調する(ツッコミをボケを否定するものにし、ボケのフレーズをそこでも連呼した笑)→「フリを強調した(ただしやり過ぎるとネタばれする笑)」→「ボケる前後の間を考える(間をとるとか、場合によってはくいぎみにいく)」ようにし、なんとかネタ以外の部分で頑張ってウケるようにした。
◆大まかに学べた事は上記程度で(所属になる事もなく)お笑いのパターンを身に付ける事なく、三年間過ぎる。
二年ほどブランクがあり、その間、ネットラジオやブログや、一般の友達などとお楽しみ会程度でネタをやっていて(今もそうだが笑)、感覚が鈍る。(元々鈍っているが笑)
そして、後輩とトリオとして４ヶ月ほど、吉本のライブに復帰し(所属ではないが、この時は最初からボーダレスの入れ替え戦だった)そこで相方の一人が書いてきたネタに感銘をウケる。
万引きした高校生(ちょいボケ)親(大ボケ→私)店員(ツッコミ)という設定で、高校生なのに、たばこを盗んだというフリで、親が「タバコは１８からだろ!!」とボケた。やる前は私は面白さがわからなかったがこれがそこそこウケ、この事からちょいズラす事や、どれ位離すか離さないか？という事がわかり、今までニュアンスとかキャラ付けとかダジャレやあるあるしかよくわからなかった(よくここまできた笑)私に革命がおき、
フリからどれ位、離すか離さないかを考えるようになり
フリ(建て前、物事の本筋なので真ん中と仮定)より共感は真実に近いという観点から野球でいうと内角とし、意外性を外角と仮定していろいろなパターンの解読に成功しました。めでたしめでたし
5/1905:24
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