ビル・ブコビッチ



ビル・ブコビッチ(Bill Vukovich 1918年12月13日生)
 [アメリカ・レーシングドライバー]


 セルビア系移民の子。インディを走り始める前はミジェットカー・レースに参戦しており、1945年・1946年にはタイトルを獲得。他にも、勝利を多く挙げている。

 1951年にインディ500に初参戦するが、この際は予選20位からリタイヤと、見せ場無く終わった。翌1952年はファステストラップを記録し、終盤までトップを走行。しかしステアリングが故障し、結果的には17位となった。

 1953年はポールポジションからスタートし、決勝でもファステストラップをマークしての優勝。前年に目前で逃げた勝利を、圧倒的な成績で掴んだ。更に1954年も優勝、1939年・1940年のウィルバー・ショウ、1947年・1948年のマウリ・ローズに続く3例目の連覇を達成した。

 1955年、開催前の話題は「ブコビッチは3連覇出来るのか」に集まっていた。しかしこの年のレースにおいて、ブコビッチは連勝だけでなく、人生そのものをストップさせてしまうこととなる。この年予選5位からスタートしたブコビッチは、その後順位を上げトップに浮上していた。しかし、56周目に周回遅れの2台が多重事故を起こし、パーツが散乱。そこへブコビッチと周回遅れのジョニー・ボイドが同時に差し掛かり、2台は同じ回避ラインを取ってしまう。結果、ブコビッチのマシンはボイドのマシンに乗り上げ宙を舞い、コース外へ。フェンスを飛び越えて縦に数回転しながら前進してコース外の駐車場に停止し、火を噴いた。この事故によりブコビッチはマシンの中で即死した。

 息子のビル・ブコビッチJr、孫のビル・ブコビッチV世もレーシングドライバーだった。Jrは1968年、V世は1988年にインディ500でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。V世は1990年11月24日にカリフォルニア州ベーカーズフィールドで行われたスプリントカー・レースで奇しくも祖父とまったく同じ状況の事故で死亡している。

 1955年5月30日死去(享年36)


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