ユルゲン・バルチュ（Jurgen Bartsch 1946年11月6日生）［連続殺人犯］
ユルゲン・バルチュは1946年、ドイツ西部の工業都市エッセンで、オランダ人季節労働者の父と肺結核を患っていた戦争未亡人の母との間に私生児として生まれた。しかし、ユルゲンが生後5ヶ月時に母親が結核のために死亡し、孤児となったユルゲンは、やがてランゲンベルク在住の肉屋の家庭に養子として引き取られた。
ところが、この新しい家庭は異常で、特に養母は不潔強迫（潔癖症）だったため、汚れることを極度に嫌いユルゲンが他の子供と遊ぶことを許さなかった。ユルゲンが19歳で逮捕されるその日まで、そのからだを養母が洗っていたという。また、ユルゲンが養子であることを隠すために家の中に閉じ込め、他の子供たちから完全に切り離した。
友達を持つことなく成長したユルゲンは、10歳の時にカトリックの厳格な寄宿制中等教育学校に入学する。ところが、この学校の司祭が小児性愛者で、寡黙で従順なユルゲンは彼の格好の餌食となってしまった。そして、自らも年少者に対して性的欲望を感じるようになっていた。また、中世の残酷な物語を通じて、サディズムにも興味を抱き始めた。
寄宿学校を卒業後、ユルゲンは家業を手伝いながら、年少者を自宅近くの防空壕跡地に言葉巧みに連れ込んで淫行に励む毎日を送っていた。最初は全裸で縛り上げた少年の局部を弄びながら自慰行為をすることで満足していたのだが、そのうちより強い興奮を求めるようになり、ある日ついにナイフで少年の局部を切断。去勢され苦悶する様子を目の前にして性的絶頂感に達し、さらに衝動のまま喉を切り裂き、死体から内臓を取り出し、まだ生暖かい臓器を愛撫するという凶行を繰り返すようになった。
ユルゲンは1962年から1966年の間に、同様の方法で4人の少年を殺害している。4人目の被害者は、杭に縛りつけられ、生きたままの状態で手足・局部を切断され、目玉をくり貫かれている。殺害未遂に終わった例は100を数えると言われる。そして、1966年6月18日、5人目の犠牲者に逃げられたことで遂に逮捕された。
ユルゲンは終身刑を宣告された後、11年後の1976年に性犯罪者更生プログラムによる刑期短縮付きの去勢手術を受けている最中に心臓麻痺（一説には医師が誤って多量の麻酔薬を注射した為と言われている）で急死した。
1976年4月28日死去(享年29)
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